◯飯塚管理部長 例えば夜間だとか休日とかに
震災が起きた場合の関係でございますけれども、
老人医療センターを例にとりますと、夜間の
勤務者が六十一人、それから三十分以内に駆けつけることのできる
職員が百五十人ということで、二百十一人が災害時等に緊急に駆けつけるという
体制になっているわけでございます。それ以外、各病院、
施設等もそれぞれの
体制を整えております。
さらに、両
医療センターと幾つかの
施設では、そのほかに、
警備委託会社がございまして、そこの
警備員が配置をされているという
状況でございます。
◯村松委員 私は、昨年の
事務事業概要のときに、
東村山ナーシングホームの
特別介護棟の問題をお聞きいたしました。
夜勤体制の問題を聞いたんですが、先ほどの答弁の中にはなかったんですが、
東村山ナーシングホームの
夜勤体制、もし
東村山でそんな事態になったら、どういう
状況なのか。私は、そこの
施設に入ってる人が何人で、そこに勤めている、当時いる
職員が何人で、そこに駆けつける人が何人なのか、それをちょっと聞きたいんですが……。
◯飯塚管理部長 失礼しました。まず、
東村山老人ホームの
夜間等の
体制でございますけれども、夜間の
勤務者が九人、それから三十分以内に駆けつけてくることのできる
職員が二十二人、計三十一人ということでございます。
◯村松委員 東村山ナーシングホームに入っている人は二百三十六人ですよね。二百三十六人に対して、そこに居合わせたというか、当日の宿直の人が九人と。それから、三十分以内に二十二人ですか、来る、そういう
状況なんですが、この
東村山ナーシングホーム、この前もいいましたけれども、
痴呆性のお
年寄りが五十人いるんですよ。それを含めて二百三十六人の人がいて、もし何かあった場合に、九人で、三十分以内にほかの人が来るからいいというふうにいってると思うんですが、その間だって何が起こるかわからない、そういう
状況だと思うんです。その辺ではどうなんですか。
緊急事態にこれで十分といい切れますか。
◯飯塚管理部長 大変失礼いたしました。先ほど、
東村山老人ホームということで、間違えましたので訂正をさせていただきます。
東村山ナーシングホームの場合でございますけれども、
夜間勤務者が十人、駆けつけてこれる
職員が二十五人、計三十五人でございます。
なお、
職員の配置でございますけれども、
職員定数では八十九人ということになっております。
◯村松委員 私がいってるのは、この事態で間に合うんですかといってるんですよ。夜、二百三十六人いるわけでしょう。そこに、その場にいるのは十人、で、三十分以内に駆けつける人二十五人含めて三十五人で、それで、いざというときに間に合うんですかといってるんです。どうなんですか。
◯飯塚管理部長 職員の先ほどの
配置状況がございますとともに、例えば
東村山キャンパスでは、近隣の
特別養護老人ホームと
相互援助協定というのを結んでおりますし、それから、同じ
東村山キャンパスの中にも、
老人ホーム、それから
ナーシングホーム、あるいは
医療センターとございますので、その
施設間同士でも応援をするという形にはなってございます。ただ、先ほど出ていますように、
大震災ということになると、若干心もとないという部分はあろうかと思いますけれども、今の
体制ではそういうことになっております。
◯村松委員 何度もいいますけれども、二百三十六人のうちの五十人は
痴呆性のお
年寄りと。それを見る
体制が、本来は三人でも四人でもいいんですが、それがいまだに二人と。昨年の
事務事業概要のときに、
養育院長が、三人
体制にするために最大限努力する、そういう
決意表明をして、私はもう来年度の
予算には当然入っているものと思ったんですよ。ところが入っていない、そういう事態なんですね。さらに、やっぱりこういう
阪神大震災みたいなときを想定すれば、とても人が足りないんじゃないか。私、この問題に対して、人の問題を含めて、それから
震災対策をどういうふうに思っているのか、最後に
養育院長の決意をお聞きしたいと思います。
◯辰川
養育院長 お答えをいたします。
まず最初に、
震災対策についてでございますけれども、仮に、
東京が阪神・淡路大地震のような地震に襲われたときに、まずは地震による一次被害、次いで火災による二次被害が発生しないような、各
施設、病院の
安全対策、これを講じておく必要があります。
また、ライフラインが崩壊したとき、あるいは物流がストップした場合、復旧するまでの間、各
施設の
利用者の
皆さんの生活を守っていく、こういう責務がございます。
このような観点から、これまでも院としてできる限りの
震災対策を樹立してきたところでございますけれども、阪神・
淡路大震災の経験にかんがみますと、ご指摘の点など、必ずしも十分ではないものもあると思われますので、目下、段階的に防災総点検を実施しているところでございます。今後、それらの結果を踏まえまして、
関係機関とも協議しながら、ハード、
ソフト両面にわたって必要な措置を講じ、
震災対策に万全を期してまいりたいと存じます。
また、
東村山ホームの
特別介護棟の三人夜勤についてでございますが、困難な
財政状況を背景とした厳しい
組織定数方針のもとで、残念ながら、今回もまた年来の要求は実りませんでした。しかし、私どもといたしましては、
職員の配置は
職務実態に即して行われるべきものである、こういうふうに考えておりますし、また、お話しのように、今回の阪神・
淡路大震災の教訓からしても、適正な
人員配置が極めて重要であると考えますので、今後とも粘り強く要求してまいりたいと存じます。
◯寺山委員 平成七年度の
養育院の
予算審議に当たって、私は二つの問題に絞って質問させていただきたいと思います。一つは、
財団法人の
東京老人総合研究所に対するもの、そしてもう一つが
震災対策についてです。よろしくご答弁をお願いします。
まず初めに、
財団法人の
老人総合研究所についてです。急速に
高齢化――もう
高齢化ではないですね、
高齢社会になってくる中で、寝たきりの
高齢者の方々や、あるいは
痴呆性高齢者といわれる方々、そういう方に一体どういうふうにこれから対応していくのかということは、これはもう都民だけではなくて、
国民全般にわたって緊急に取り組まなければいけない重要な課題であるというふうに認識されていると思います。
養育院も非常に長い歴史をお持ちですけれども、時代が要請するようなこういう課題に対して、例えば板橋ですとか
東村山にある
老人医療センター、その設備ですとか、あるいはその
施設、そういうものを充実なさってきました。また、
高齢者福祉や
医療の
複合施設というものも積極的に、前向きに、
建設に鋭意努力をなさってきている。その姿勢は非常に評価しているところです。
ただ、私は、
養育院が
養育院たる
ゆえん、それは、
福祉と
医療、そして
研究、この
研究というのが三位一体になって総合的に施策を推進していらっしゃる、この部分に私は
養育院たる
ゆえんがあるだろうというふうに思っています。
そこで、その
研究の分野を担っている
老人総合研究所ですけれども、この
研究所は国内で唯一、
高齢者に関する公的な
学術研究機関であるというふうに伺っています。
民間企業ですとか、あるいは大学などでも、こういう老化ですとか痴呆などに対する
研究をやっているところはたくさんあると思います。その中で、この
老人総合研究所というものを都道府県、あるいは全国で唯一、
東京都で持っているという
必要性、あるいは
メリットをまず最初にお聞かせください。
◯吉浜事業部長 東京都におきましては、
高齢者対策が今後の重要な
政策課題になることを早くから予測しておりまして、その効果的な推進のためには、
医療、
福祉の充実はもとより、これと密接な連携をとった
研究の推進が極めて重要であるとの認識に立っておりました。この連携の基盤を有する
養育院に、
昭和四十七年、
老人総合研究所が設置されたわけでございます。
そこで、都で持っていることの
メリットとしては、その第一として挙げられますことは、優秀なスタッフを確保できるということでございます。したがって、高水準の
研究機能を発揮できるということでございます。第二には、
行政的課題に即応した
研究が展開できるということでございます。第三には、その
研究成果をより広範に都民に還元できることなどを挙げることができるかと存じます。そして、この機能を有効に発揮するために、
昭和五十六年には
財団法人化したという経緯がございます。
なお、これまでの
研究成果につきましては、国内はもとより国際的にも高く評価されているところでございます。
◯寺山委員 今、三点、
メリットを挙げていただきました。恐らくこういうことだろうと思います。
高齢者サービスをきちんと適切に供給、あるいは提供していくためには、基礎科学的な
研究に裏づけされた、そういうふうな基礎を持つこと、それが重要なんだろうというふうに思います。そのために
老人研究所というのは重要なんですが、実際、その
財政規模というのはどういうふうになっているのか、具体的にお示しください。
◯吉浜事業部長 財団といたしましての
平成七年度
予算につきましてはまだ確定しておりませんので、恐縮でございますけれども、
平成六年度
予算でもって申し上げます。
歳入では、
基本財産運用収入が五百六万円、
受託事業収入が五千四百三十二万円、
補助金収入が三十三億七千二百五十万円、雑収入が一千七百五十七万円、
収入合計三十四億四千九百四十五万円でございます。一方、歳出でございますけれども、
事務職員費と
事務費から成る
管理費が二億三千九百五十万円、
研究員の
人件費を含めた
研究事業費等の
事業費が三十二億七百九十五万円、
予備費二百万円、
歳出合計、同額の三十四億四千九百四十五万円となってございます。
◯寺山委員 歳入のほとんどが
補助金収入によって賄われているということですが、今お示しいただいた数字を見てますと、その次に多いのが
受託事業という分野の収入であります。具体的には
受託事業というのはどういうもので、受託に当たっての条件のようなものがあるか、また、
平成六年度の
受託状況についてご説明ください。
◯吉浜事業部長 受託事業収入は、
外部団体から委託を受けて行う
研究に伴う収入でございます。
また、
受託研究を受け入れる場合の要件でございますけれども、三つございまして、その一つとして申し上げられますものは、
当該研究が老化、
老人病等に関する
研究を総合的に行うものであって、都民の
老人医療及び
福祉の向上に寄与するという
研究所の目的の達成に合致することでございます。
二つ目が、
当該研究が
特定企業の営利を目的とするものであってはならないということでございます。三番目には、
当該研究の成果は原則的に
研究所に帰属することでございまして、ただしこの場合には、
委託者が国または
地方公共団体、もしくは
研究所の設立目的と合致する公益法人の場合はこの限りではないものでございます。そして、これらを担保するために、
研究所内に委託
研究審査
委員会を設けまして、受け入れ要件の可否を審議し、受け入れの可否を決定しているところでございます。
なお、
平成六年度の受託件数は二十一件でございまして、そのうち科学技術庁からが三件、衛生局からが一件、町田市からが一件、
養育院からが二件、その他十四件となってございます。
◯寺山委員 今、概括的に
受託研究の内容をお知らせいただいたんですが、その
受託研究の主な内容、こういうものをやってますよというふうなのを具体的にお示しください。
◯吉浜事業部長 平成六年度の
受託研究を大きく二つに分けますと、医科学的
研究と社会科学的
研究に分けることができるわけでございます。医科学的
研究が十四件、社会科学的
研究が七件となっているわけでございます。
このうち、具体例を挙げて説明いたしますと、医科学的
研究の主な
研究の一つが、科学技術庁からの委託である、脳神経系、免疫系の相互情報伝達機構の制御技術の
研究というものでございまして、これは、皮膚、筋への刺激による免疫制御機構と、自律神経系及び内分泌系の情報伝達の役割の解析を行ったものでございます。
社会科学的
研究の主な
研究の一つが、町田市在宅
福祉サービス公社からの委託である、町田市
高齢者生活及び健康に関する
調査研究でございまして、これは、老年期痴呆の有病率及びその介護
状況を含む実態を明らかにし、保健
福祉サービスを算出する基礎とするものでございました。
◯寺山委員 そのほかに、
老人総合研究所としては、取り組んでいらっしゃるプロジェクト
研究の中に、老人性痴呆に関する総合
研究というものと、もう一つ、中年からの老化予防総合的長期追跡
研究という二つのプロジェクト
研究をお持ちですけれども、これは具体的にどのような
研究なのか、できるだけわかりやすく教えていただきたい。また、これまでに、その
研究をなさっている中で成果と呼べるようなものが出てきているかどうかお聞かせください。
◯吉浜事業部長 まず、老人性痴呆に関する総合的
研究でございますけれども、その
研究内容は、老人性痴呆の原因究明等、
高齢者の痴呆に関する未解決分野の諸問題を解決するため、治療、予防を含めた総合的
研究を行うことでございます。その
研究期間は
平成元年度から十年度までの十年間でございます。
研究課題といたしましては、老人性痴呆の原因究明、老人性痴呆の根本的治療法の開発、実践的
研究による
痴呆性患者に対するケア技術開発等でございます。
主な
研究成果といたしましては、アルツハイマー病に見ることができます神経細胞異常発芽抑制因子を解明したこと、脳血流を増進する物質を解明したこと、アルツハイマー病の神経病理学的診断
基準を作成したこと、脳機能を向上させる方法を解明したこと、
痴呆性高齢者のケア技術を開発したことがございます。
次に、中年からの老化予防総合的長期追跡
研究でございますけれども、
研究内容は、老人病と老化の予防方法と、老後の生活の質を高める手だてを確立するための医学、社会学の分野から成る学際的で長期的な追跡
研究でございます。
研究期間は
平成三年度から十二年度までの十年間でございまして、
研究課題としていえるものは、老人病と老化予防方法の確立、それから生活環境の変化への社会、心理的適応方法の確立というものでございます。
また、主な
研究成果といたしましては、新しい老化の尺度を開発したこと、中高年期に経験するライフイベントが心の健康に及ぼす影響というものを確認したことがございます。
◯寺山委員 着実に
研究をお進めなさっていて、成果もきちんとお出しになっているということですけれども、それならば、重要なこの二つのプロジェクト
研究にお使いになっている
研究費はどのぐらいなのか。また、その
研究費の推移をお教えください。
◯吉浜事業部長 両
研究費の推移でございますけれども、老人性痴呆に関する総合的
研究につきましては、
平成元年度の初年度が八千六百万円、以降、
平成二年度から六年度まで七千四百万円の同額となっております。また、中年からの老化予防総合的長期追跡
研究につきましては、
平成三年度から六年度まで同額の八千万円となってございます。
◯寺山委員 両
研究費ともずっと推移が全く同じであるということなんですが、老人性痴呆に関する総合
研究については、
平成元年度から始めて七年目になる。中年からの老化予防総合的な長期追跡
研究というのは
平成三年度からで五年目になるということで、この間でせっかく成果を出しているにもかかわらず、財政的にはずっと同じ
予算しかつかない。やはり
研究というふうな分野に対して、もっと財政的な配慮を含めて、一層充実する必要があるというふうに私は思いますけれども、いかがでございましょうか。
◯辰川
養育院長 お話しの二つの
研究は、
老人総合研究所が長期的な展望のもとに、所を挙げて、特に
体制を強化して取り組んでいる長期プロジェクトでございまして、これまでにも、先ほど事業部長からご答弁申し上げたとおり、貴重な成果を上げてきております。
しかし、お話しのように、相当の年数もたってはおりますけれども、いまだ多くの困難な課題が残されており、今後とも地道に、粘り強く
研究を継続していかなければならない、こういうふうに考えております。
そして、そのためには、お話しのように、これまで必ずしも恵まれていない財政面について、相当の配慮が不可欠と思いますので、
研究成果のわかりやすい公開に努めるなど、その意義について十分な理解が得られるよう努力をし、財政基盤の強化を図りまして、
研究を一層充実させてまいりたいと存じます。委員の皆様の力強いご支援をお願いする次第でございます。
◯寺山委員 今回の
阪神大震災の件で、地震予知ですとかそういうものが、私は公明の森田先生の
予算特別委員会のご質問を聞いておりまして、本当に必要だなというふうに感じております。地震と老化あるいは痴呆というのは、一見違うようですけれども、もし、今後来る
大震災に向けてそういう予知あるいは予防というものができるならば、どれだけ大切な命や財産というのが守れるかわからない。一方、この痴呆の問題を見てみましても、これから都民の方々が本当に豊かな老後を送れるために、あるいは、痴呆という問題で家族を含めたたくさんの方々が苦労なさっている、そういう
状況を変えていく手だてになるかもしれません。そういう意味でも、本当にこの重要な
研究課題、どんどんと進めていっていただきたいと思います。
もうじき知事選があるわけですけれども、鈴木知事が勇退をなさいます。その中で、これから
平成七年度は、やはり各局においても新たな施策の展開等が図られていくと思います。よいものは継承して、そしてまたよい方向に向かって改革していくという、創造する勇気というのはやはり持っていかなきゃいけないだろうと思います。
私がここに持っておりますのは、
東京都の
養育院の老年学会、去年の六月に第一回が開かれた中の報告書ですけれども、その中で、ご来賓でしょうか、来ていらっしゃった金平副知事の祝辞の中にこういう一節があります。小澤
老人医療センターの院長先生の文があります、
養育院は
医療と
福祉と
研究が一体となって行われているが、さらに教育という項目も入れるべきではないかと述べられています、私、この言葉に大変感激いたしました、なぜなら、今まで現場ではそこまではできないという考えが強かったと思います、あえてこういわれたご英断に敬意を表し、今後のご努力に期待いたします、という文を寄せられています。
長い歴史を持つ
養育院ですけれども、時代のニーズ、要請に合わせて、やはり創造する勇気というものを持っていって、どんどんと施策の展開を
平成七年度へ向けてやっていく必要があるというふうに思いますので、これは意見としてお聞きいただければと思います。
二つ目、最後の質問ですが、
震災対策です。今、村松先生の方からも随分とお触れになっていました。重複する部分があるやもしれませんが、ご勘弁いただいて、質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、二月二日に院長の方から、当
委員会に対して、二月二日時点というふうに解釈していいのかどうかわかりませんが、
阪神大震災に対してこれまでおとりになっていた救護活動の
状況をご報告いただきましたが、それ以降の
状況についてまずお伺いします。
◯飯塚管理部長 さきの当
委員会におきまして、
養育院長から、阪神・
淡路大震災の被災者援護等に関する
養育院の対応、医師等の派遣、
施設に対する
職員の派遣、それから
老人ホームでの被災者受け入れの三点にまとめてご報告をしておりますが、医師の派遣につきましては、都の派遣する
医療救護班の第五陣として、二月六日から十三日まで、
老人医療センターの医師三名、看護婦三名、それから事務職一名のチームを神戸市へ派遣をしたところでございます。同チームは、固定救護所とされた長田区の名倉小学校の保健室で、初めての当直制によって
医療活動を行うとともに、近隣四カ所の避難所の巡回診療も行ったところでございます。
それから、
施設職員につきましては、二月二十三日付の兵庫県からの要請に基づきまして、都内の各
老人ホームが兵庫県内の
特別養護老人ホームへ派遣する要員の一員として、板橋
ナーシングホーム等から、明二月二十八日から四月末までの間に、一名八日間ずつ、計五名の介護
職員を派遣する予定でございます。
それから、
老人ホームでの被災者の受け入れにつきましては、地元を離れたくないという気持ちが強いのか、それほど希望は多くございませんけれども、それでも現在までに、ご夫婦を含め三名の方を受け入れております。
また、両
老人医療センターでは、外来十二名、入院四名の計十六名の被災者の方が受診をされているところでございます。
◯寺山委員 神戸の方へお出かけになって救援あるいは救護活動をしていただきました方には、本当に心よりお疲れさまでしたというふうに申し上げたいと思いますが、そういう方が行ってらっしゃるんですから、その後の報告を受けるなり、これからの施策にどうぞまず反映していただきたいということが一つ。
そして、実際、
東京にいます
養育院としては、
震災対策に対してはどういうふうな取り組みを行っているか、お聞かせください。
◯飯塚管理部長 震災対策でございますけれども、消防
計画において、地震時の災害の発生を予防、軽減するための措置、地震時の活動内容、避難に関する事項等を定めておりまして、その規定に基づく点検等を行ってきたわけですが、今回の阪神・
淡路大震災後、直ちに幹部
会議を開きまして、各
施設、病院の
震災対策の現状を報告し合うとともに、改めて
安全対策のチェックを行うことといたしまして、ハード、
ソフト両面から院内の各
施設について一斉点検を行ったところでございます。
また、この点検結果に対する措置を含めまして、総合的な
震災対策等を審議、決定するために、院長を初め各部長、各
施設長等を構成員とする
養育院震災対策会議を設置をしたところでございます。
◯寺山委員 村松先生の方からも先ほど質問が出ましたけれども、具体的に、点検を一体どのような形で行ったのかということと、それから具体的な点検結果はどうだったのかということをお答えください。
◯飯塚管理部長 まず、各
施設に対する点検の内容でございますけれども、
建物の現状、それから構造、防火
施設、避難
施設等の問題点及び立地条件、消防
計画に基づく避難訓練等の活動
状況、
避難場所、
震災時の対応
体制、それから
施設内の備蓄、自家発電、家具等の転倒防止対策の現況等の各項目について点検を行いました。それと同時に、防災に関する意見も聴取したところでございます。
点検結果でございますけれども、全般的に重大な問題点は認められないといえます。しかしながら、課題とすべき点を申し上げますと、一部の古い
建物に外壁面のひび割れが生じており、詳細な
調査が必要と考えられること。それから、収納場所不足から廊下に物品を置いている場合がありますので、万が一のときの避難に支障のないように整理する必要があること。あるいは、消防
計画に基づく避難訓練等の活動でございますけれども、これは、各種訓練を、図上訓練を含め毎月実施をしているわけですけれども、通常の火災を想定したものが多く、
震災を想定した避難訓練等が不足をしているので、今後工夫をしていかなければならない等でございます。
◯寺山委員 今、率直に問題点を何点かいわれたわけですけれども、先ほど村松先生の方からも、繰り返しになりますが、やはり今回の問題に対しては、本当にとうとい人命と都民の財産というのがかかっているわけですから、それを守るために、今後は一体どういうふうな具体的な対応をおとりになるおつもりなのか、それを真剣にお答えください。
◯飯塚管理部長 施設の点検の結果でございますけれども、ただいまお答えいたしましたような課題が改めて浮かび上がってきたわけでございます。この中には、
建物の補修、あるいは備蓄の増加等、相当の
予算措置を必要とするものと、それから
震災時を想定した避難訓練の実施回数増等、業務の改善によって解決できるものがあるのではないか、かように考えておるところでございます。
各
施設の
建物につきましては、先ほど申し上げた一斉点検で
目視等による
調査を行っておりますが、さらに技術面からの詳細な
耐震性の点検方法を検討しているところでございます。これらにつきましては、
養育院震災対策会議の場で検討し、院としての改善方策を樹立するとともに、
職員、
利用者の意識改革も図っていくようにしてまいりたい、かように考えているところです。
なお、阪神・
淡路大震災に係る都の
調査団の
調査結果がまとまった時点で、
東京都地域防災
計画の見直しにかかると思われますので、そうした動向を注視いたしまして、新たな課題についても十分検討し、
養育院の
震災対策を一歩でも二歩でも万全なものに近づけていきたい、かように考えているところでございます。
◯寺山委員 今回の
震災の教訓として、初動態勢のおくれ、もうこれはどこでもいわれていることですけれども、これが被害を拡大したというふうにいわれております。いざというときに
養育院は一体どういうふうな
体制をおとりになるのか、それをお答えください。
◯飯塚管理部長 いざというときの
体制でございますけれども、
東京都災害対策本部が設置をされまして、非常配備
体制の指令が発せられたときには、都の
職員は第一次から第五次までの種別によって配備されることになっております。
養育院につきましては、第一次非常配備
体制の場合、二百三十八人が配備されることになっておりまして、第二次非常配備
体制の場合はさらに三百八十四人を増員し、以下、第三次では五百五十八人、第四次では六百七十人、第五次では五百五十七人と配備
職員を増員して、第五次非常配備
体制になったときには全員が配備をされるということになっているわけでございます。
さらに、今回の
施設点検においても、夜間において三十分以内に集まることのできる
職員数を調べたところ、先ほどお話し申し上げましたように、全体で五百五十一人、委託の吉祥寺
老人ホームを含めますと五百七十人となっております。緊急時にはこれらの
職員が、夜勤等に当たっている
職員とも力を合わせまして応急対策に当たる、こういうことでございます。
◯寺山委員 地震というのは、いつ、どこで、どういう規模で来るのかわかりません。今回の
阪神大震災で、恐らく都民の方々お一人お一人が心の中に思っていらっしゃるのは、これも随分出てきている言葉ですけれども、やっぱり自分の命は自分で守っていくんだという、その心構え、あるいは準備をしておかなければいけないということが都民の一人一人には恐らく認識としてあるんではないかと思います。
ところが、
養育院にいらっしゃる
高齢者の方やそういう方々は、自分の身の安全を自分で守ることができない方がたくさんいらっしゃる。そういうときに、板橋ですとか、あるいは
東村山の両
医療センターを含めて、あるいは
千葉福祉ホーム、こういう寝たきりだとか、あるいは車いすに乗っていらっしゃる方、こういう方々の避難、それは大丈夫なんでしょうか。
◯飯塚管理部長 寝たきりとか車いす使用の場合にどうなのかということでございますけれども、現実問題として、私どもといたしましても、寝たきりの方とか、あるいは車いすを使用している方の避難問題が一番困難なことであるということを認識しておりまして、防災訓練でも重点としているわけでございます。
板橋、
東村山両構内では、緊急時に各
施設間の連携を密にいたしまして、
職員の応援が円滑にできるようにしているところでございます。また、
職員住宅居住者も含めまして、三十分以内に参集できる
職員の応援を得るなど、避難
体制の確立に努めているところでございます。
さらに、板橋構内では、近隣六町会と
相互援助協定を結びまして、緊急時には避難の協力を得られることとなっているわけです。しかし、地域全体が甚大な被害を受けた場合を想定いたしますと、
利用者の方々にも、避難のときの誘導役、あるいは一次集合場所での点呼等、一定の役割を果たしていただくことを検討すべきかとも考えております。
また、指定
避難場所でございますけれども、かなり遠方にございますので、そこまでの避難が難しい面もございます。構内の空地を活用することも考え、諸条件の
整備を図ることが課題であるので、早急に検討をしてまいりたいと考えております。
◯寺山委員 今回、この議会の中でも、
避難場所をできるだけ住んでいるところから近く、それが小学校ですとか中学校ですとか、学校を活用したらどうだというふうなことがよくいわれているわけです。
養育院の中というのは
避難場所には指定されていないということですけれども、
養育院の近くにお住まいの方々、近隣の住民の方々が避難をなさっていらっしゃることが、実際に地震が起きた場合にはあるんじゃないかというふうに思います。その対応に必要な対策を今お考えになっているのかどうか、それを具体的にお聞かせください。
◯飯塚管理部長 板橋構内や
東村山構内、あるいは
千葉福祉ホームとも
避難場所には指定をされておりません。ただし、空地があるということ、あるいは病院
施設があるということから、近隣の住民が避難してくることは十分に考えられるところでございます。しかしながら、現在のところ、近隣の住民が
養育院構内に避難をしてきた場合の対策というのは特に講じておりません。先ほど答弁申し上げましたように、両
老人医療センター、あるいは各
施設の食糧の備蓄は、
入院患者、それから
施設利用者分の三日分というふうになっております。また、
老人医療センターの医薬品でございますけれども、
病院経営上の適正な在庫量でございます。このため、各
施設において、避難をしてきた近隣住民へ食事を提供する余裕には乏しく、また、
老人医療センターにおきましても、急激な患者の増加に医薬品が不足する事態も考えられるところでございます。
◯寺山委員 近隣住民が避難していらっしゃることも考えられるというふうにおっしゃっているわけですから、今の時点では確かにそういうふうな設備がないかもしれませんけれども、そういうことが想定される限りは、ぜひ真剣にこれから取り組んで、そういう
整備充実をしていただきたいということ。
それから、
養育院は一つの
医療機関、あるいは
福祉施設を設置する局ですけれども、発災時の
利用者の安全確保、これはまずは最優先してやらねばならないことだというふうに思います。しかし、近隣住民の救援センター、そういうふうな役割も負うべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◯飯塚管理部長 私どもといたしましても、ご指摘のとおり、今回の阪神・
淡路大震災の被害
状況から、
東京都に大きな被害があった場合に、
養育院が
入院患者、それから
施設利用者への対応のみならず、近隣住民に対する救援活動を円滑に行うことができるよう、
体制整備を図る必要があると考えているところでございます。このことは、
養育院のみならず、他の都立病院や都立
施設にとっても課題と思われますので、
東京都地域防災
計画の見直しの際、これに反映されるよう、今後関係局と協議をしてまいりたいと思います。
◯寺山委員 最後に、これまでの議論を含めて、
養育院長から、今後おとりになっていく防災対策等含めてご決意をお伺いして、終わりにします。
◯辰川
養育院長 お話にございましたとおり、
養育院が所管しております
施設は、
高齢者や
精神薄弱者等、いわゆる災害弱者といわれる方々の入所、入院
施設でございます。このため、
施設入所者等の生命、財産の保護を
施設運営の基本としてまいりました。したがって、これまでも院内の各
施設や病院におきましては、
震災をも想定して相応の準備はしてまいりましたが、阪神・
淡路大震災の被害
状況にかんがみますと、率直にいって、あそこまでの
状況は想定していなかったと反省せざるを得ない点もございます。
そこで、早速、全
施設の防災点検に入りまして、その結果を踏まえて、必要な措置を講じることとしたところでございます。
いずれにせよ、懸念される関東地方の地震がどの程度の被害をもたらすものかわかりませんが、どのような事態であっても、
入院患者、
施設利用者の安全が図られ、また、不幸にして近隣を含めて被害が発生した場合でも、当院の病院、
施設がお話しのような地域の救援センターとして活動できるような
体制整備について、今後、
関係機関と協議しながら最大限努力してまいりたいと存じます。
◯下村委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯下村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯下村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で
養育院関係を終わります。
これをもちまして本日の
委員会を閉会いたします。
午後二時三分散会...